ぼくは株式投資歴5年で、1000万円ほどの資産を運用しているのですが、新卒で壮絶なブラック企業に入社した苦い経験から、
絶対にブラック企業には投資しない
という運用ポリシーがあります。
その結果、ブラック企業を見分けることができるようになりました。
そもそもブラック企業は投資先として魅力が低いです。
財務状況が悪く、経営が安定していないから。
経営が安定していない会社は、利益を出しつづけないと倒産してしまうので、社員を酷使し利益を絞りだして存続しているのです。
つまり、財務状況良好で経営が安定している会社を選べば、ブラック企業に就職するリスクを減らすことができます。
それでは、ブラック企業の見分け方を解説します!
前半の「四季報での見分け方」は上場している会社、後半の「新卒採用サイトでの見極め方」は全会社が対象です。
ブラック企業は四季報で見分けられる

会社の経営状況は「四季報」という本をみれば一発で確認できます。
会社の成績表のようなもの。日本の上場会社の基本情報や、業績などがまとめられている本
それではどの項目を見ればいいかお伝えします。
ブラック企業は経営状況が悪い
以下6つのポイントでブラック企業かどうか見分けることができます。
- 自己資本比率が20%以下
- 有利子負債が現金同等物よりも多い
- 営業キャッシュフローがマイナス
- 10年以内に赤字の年が3回以上ある
- 継続企業の前提疑義の注記がある
1つずつ、説明します。
自己資本比率が20%以下
自己資本比率とは、総資産に対する返済しなくていい自己資本が占める割合です。
この数字が低ければ低いほど、返済すべき負債が多いことになります。
自己資本比率20%以下の会社は要注意です。
有利子負債が売上高よりも多い
有利子負債とは、金利を払って返済する負債のことです。
負債の返済ができないと、企業は倒産するので、有利子負債の残高は大きいほど財務状況が悪い可能性があります。
付け加えると、売上高よりも有利子負債が大きい会社は、返済能力が低いので要注意です。
営業キャッシュフローがマイナス
営業キャッシュフローとは、実際の営業で成果を出せているか分かる指標です。
この数字がマイナスだと、本業で利益を出せていない可能性があります。
本業で利益を出せない会社は経営状況がよくないです。
10年以内に赤字の年が3回以上ある
景気が傾くと企業の業績が悪くなるものですが、あまりにも景気に左右される会社は経営が安定していないと考えられます。
できれば10年間赤字がない会社を選ぶことが望ましいです。
継続企業の前提に関する注記がある
こちらの記述がある企業は、業績不振や財務状況の悪化などから、企業の継続性に不透明さがあります。
上場廃止や、倒産のリスクがある会社とも言えるので、この注記がある会社は選ばない方がいいでしょう。
四季報は情報の宝庫
「四季報」は投資家向けの情報誌なので、信憑性が高いです。
投資家にウソをつけば企業は信用を失い、株価は下落の一途をたどるからです。
ブラック企業は経営状況を見れば、ある程度判断できるので、就職・転職活動の際はぜひ一冊手元に用意しておきましょう。
新卒採用サイトでブラック企業か見極める

先ほどの「四季報」は上場企業しか載っていません。
そのため、未上場の会社を調べる場合や、さらに上場企業のブラック度を調べるには新卒採用サイトを見ることをおすすめします。
こんな質問が予想されますが、新卒採用サイトに掲載されていない会社はそもそもブラック企業の可能性が高いです。
なぜなら、新卒を採用してもすぐに辞めていくので、採算が取れずに新卒採用サイトから撤退していったと考えられるからです。
実際、僕の前職では新卒が3年以内に100%辞めてしまうので、リクナビ掲載を辞めていました。
新卒採用サイトの掲載費は何百万円も掛かるので、長続きしない新卒を雇うのはコスパが悪いといったところでしょうか。
もちろん、新卒採用サイトに載っていない企業がすべてブラック企業ではないです。しかし、少なくともこれから成長していくはずのベンチャー企業が載っていない場合は要注意です。
それでは、新卒採用サイトでのブラック企業の見分け方を解説します。
[数字でチェック]ブラック企業の特徴

まずは、数字で見えてくるブラック企業の特徴です。
見るべき数字はこちらの5つです。
- 入社3年後定着率
- 従業員数に対して採用人数
- 平均勤続年数が短い
- 平均年齢が低い
- 給料
それでは解説していきます。
入社3年後定着率が載ってない
入社3年後定着率をみれば、3年以内に新入社員がどれくらい辞めたか知ることができます。
数字が高いほどよく、例えば入社3年後定着率が100%ならば3年以内に辞めた新入社員は0人!ということになります。
この数字が高ければ「働きやすい会社」と就活生にアピールできるので必ず掲載するべきでしょう。
逆に、入社3年後定着率を掲載していないということは、新入社員がバンバン辞めていく会社ということです。
従業員数に対して採用人数が多い
従業員が数百人規模しかいないのに、採用人数が100名など大人数の会社はブラック企業の可能性が高いです。従業員を使い捨てにしているから、毎年たくさん採用しなくてはいけないからです。
ただし、成長している会社は例外です。直近1年以内に新事業所が立ち上がっていたら、人員増強のための大量採用とも考えられます。
平均勤続年数が短い
平均勤続年数が低いということは、シンプルに社員がすぐに辞める職場環境ということです。10年以内の会社が選ばない方がいいです。
平均年齢が低い
従業員の平均年齢が低い会社は、ベテラン社員の少ない会社です。ベテラン社員が少ないということは、この会社で定年まで働きたいと思っている社員が少ないということになります。
設立の浅いベンチャー企業なら話は別ですが、そこそこ歴史のある会社で平均年齢が30代だとかなりブラック企業度が高いです。
給料が高い
新卒の採用なのに、給料が異常に高い場合は要注意です。
基本給は低く設定して、職種手当てやみなし残業代で過大に提示されている場合があります。
ぼくが働いていたブラック企業の場合は新卒サイトには30万円と書いてありました。
30万円(基本給10万円+謎の手当て+みなし残業60時間分)
※なおノルマ達成しないと手当てがなくなる。
[キーワードでチェック]ブラック企業の特徴

続いて、企業の採用ページに含まれていたらブラック企業の可能性が高いキーワードを紹介します。
- みなし残業
- 即戦力
- コンサルティング
- 夢、希望、自己実現
1つずつ解説していきます。
みなし残業
みなし残業とは、残業代をあらかじめ給料に含めておく制度です。
みなし残業30時間と書いてあれば、30時間分の残業代が毎回基本給に上乗せされます。
みなし残業制度は経営者にとっては便利な制度ですが、従業員にとっては悪魔の制度です。
まず第一に、みなし残業が設定されているということは、残業前提で業務が行わているということです。今月は残業がなかったけど、みなし残業だから残業代もらえる!なんて甘い幻想は捨てた方がよいです。
そして、みなし残業を超えた分の残業代を支払わない会社も存在します。
ぼくの場合はみなし残業60時間(この時点でおかしい)でしたが、実際は120時間、超えた分の60時間分は支払われませんでした。
即戦力
企業が新卒採用を行うのは、長期的に新入社員を育てていき、いずれ会社の中核を担う社員を育成するためです。
それなのに新卒に即戦力を求めるのはおかしいです。即戦力が欲しいならば中途採用をする方が合理的です。
即戦力をうたっている会社に入社した新卒は、配属初日からベテラン営業と同じノルマを背負うことになるでしょう。
コンサルティング
コンサルティングという言葉は魔法のような言葉で、事業内容をあやふやにする力があります。
ぼくが入社した会社はITコンサルティング会社と名乗っていましたが、ふたを開けたらただのホームページを作成して売るだけの会社でした。
このようにコンサルティングという言葉は、事業内容を不透明なものにしてしまうので、事業内容がはっきりしない会社には要注意です。
夢、希望、自己実現
会社のビジョンや企業理念に「夢、希望、自己実現」などのあいまいな表現を用いている会社は要注意です。会社の経営方針が不安定な可能性があります。
また、癖の強い社長メッセージがある会社にも気を付けましょう。社長のワンマン経営でパワハラが横行している可能性があります。
【まとめ】ブラック企業か本気で調べるなら口コミもみよう!

今回はブラック企業の見分け方を2つ紹介しました!
・四季報で経営状況を分析する
・新卒採用サイトで数字とキーワードを見る
もし、さらにブラック企業かどうか調べたいと思ったら「転職会議」というサイトがおすすめです!
実際に会社で働いていた人の、会社の口コミが集まるサイト
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今回は以上です!